韓国の失業給付、働かなくても月188万ウォン 逆転現象が労働意欲を損なう懸念
失業給付の下限額が急上昇、最低賃金を上回る「逆転現象」発生 韓国経営者総協会が制度改革を提言、繰り返し受給者の増加も課題に
韓国経営者総協会(以下、経総)が、求職者の就職意欲を低下させる緩い失業給付制度の問題点を指摘した。
経総は9月25日、「雇用保険制度の問題点と改善策」に関する報告書を発表した。その主な内容は以下の通りである。
求職給付は雇用保険制度における失業給付の中核項目であり、非自発的に失業した労働者が再就職のために努力する場合、120〜170日間にわたって生計の安定と再就職機会の支援を目的に現金給付される。
下限額は最低賃金の80%に設定されているが、最低賃金の急激な上昇によって、求職給付の上限額に対する下限額の比率は、74%(2010年)、87.5%(2013年)、90.4%(2018年)、91.1%(2022年)、95.6%(2024年)、97.3%(2025年)へと急騰した。
下限額が適用される離職者の求職給付は、月(30日換算)約193万ウォンで、1か月(週40時間勤務)の最低賃金210万ウォンの92%相当に達する。実際の受給額(税引き後)は約188万ウォンであり、結果として最低賃金よりも高くなる「逆転現象」が発生している。このため、働かずとも高額の給付が得られるいびつな構造となり、労働者の労働意欲の低下につながっている。
国際的に見ても、韓国の求職給付の下限額は平均賃金比で41.9%と、フランス(27.8%)、日本(14.1%)、米国(3.5%)など、主要国と比べて最も高い水準を示している。
求職給付受給のためには、失業前18か月の間に180日以上、事業場で勤務(雇用保険加入)が必要とされる。
最低限の要件を満たす場合、約7か月(180日)勤務すれば4か月間、求職給付の受給が可能となり、就職と失業を繰り返して給付に依存しやすい構造だ。
こうした流れから、就職と失業を繰り返し求職給付を複数回受給する「繰り返し受給者」も増加傾向にある。過去5年間で3回以上受給した者は、86,000人(2019年)、93,000人(2020年)、100,000人(2021年)、110,000人(2022年)、113,000人(2024年)に達し、11万人を超えた。
しかし、受給回数や金額には特段の制限がない状況だ。失業給付の受給資格認定率は99.7%に達し、実質的には申請すればほぼ全員が受給資格を得る事態となっている。形式的な審査にとどまっているとの指摘だ。
求職給付は予期しない失業に備える制度だが、定年退職者にも全額が支給されている。効果が不明確な早期再就職手当の維持も、財政健全性を損なう要因として挙げられている。
母性保護・育児支援事業は、雇用保険基金(失業給付勘定)の主な支出事業の一つであり、仕事と家庭の両立や女性のキャリア中断防止を目的に、育児休業給付、育児期短時間勤務給付、出産前後休暇給付などが含まれる。しかし、この事業が趣旨にそぐわない失業給付勘定から支出されており、基金の財政安定性に悪影響を及ぼしている。
主要先進国では母性保護事業と雇用保険を分離して運用し、母性保護・育児支援の費用は税金や独立した基金でまかなっている。韓国の場合、少子高齢化が急速に進み、将来的には同支援事業の規模拡大が避けられず、財政に深刻な負担をもたらすと見られる。
改善策としては、雇用保険基金の状況と労使の保険料負担を考慮し、求職給付の下限額を廃止し、給付額は平均賃金の60%という現行基準の準用を提案している。また、基準期間を現行18か月から24か月へ、拠出期間も180日から12か月へ延長する方針だ。
さらに、繰り返し受給者に対しては給付金の減額を適用し、形式的な資格審査や求職活動確認システムの改善、制裁強化によってモラルハザードを防ぐ狙いも示されている。早期再就職手当制度は縮小または廃止し、基金の効率化を図る方針だ。
母性保護給付については、失業給付勘定に依存する現体制から、国家が一次的責任を担うことが望ましいと指摘。短期的には雇用保険財政への国庫補助拡大で政府の責任を明確にし、長期的には母性保護・育児支援事業を一般会計に全面移管する案を提示した。
この記事は、元の韓国語版をAIの助けを借りて翻訳し、その後、ネイティブの記者が編集しました。
写真=Yonhap News, 韓国経営者総協会